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講演録「形あるものは必ず壊れる」 9

 秋田県の情勢努力の結果

 全国の都道府県の人件費比率は、大体平均30%ぐらいだそうです。しかし、秋田県は平均23.7%(平成14年度決算)です。全国で低い方から3番目です。それでも民間から比べたら「濡れたタオル」だと思いますよ。これをまた絞っていかなければなりません。その一方で、公債費負担比率は28%と全国で低い方から2番目です。これは、それこそ秋田新幹線こまちを作ったり、温泉を掘ったり、過去にたくさん仕事をしてきたわけで、その借金をせっせと返しているということです。投資したことに対しての善悪は後世の方が判断すれば良いことだと思います。とにかく借金は一生懸命返しています。

 私が知事になって7年になりますが、以前の計画で決まっていた事業がまだ残っています。私が着任した時に、図面まですっかり出来上がっていました。最近になってようやく終わりそうです。以前の秋田県の計画というのはものづくりの計画だったのです。「ものづくり」をどうしてやるかではなく、「ハコモノ」をどれだけ作るかの計画でした。私の場合はそういう計画は作っていません。ソフトの計画だけです。私が作った箱モノというと…中高一貫校ぐらいは作ったかな、という程度です。他には秋田市内の警察署を2つに分けたりしました。県立体育館や県庁の第二庁舎は全て以前からの計画に載っていたのでやりましたが。芸術劇場などの構想は止めさせて、作らざるを得ないものもコストは遠慮なしに値切りました。県のゆとり創造センターは図面ごと撤回させて、5年以上も議論して、木造の「遊学舎」に変更させました。コストは大幅に下げましたが、素晴らしい建築になったので、地域のNPOの拠点としてよく利用してもらっています。それぐらいでしょうか。今春できた国際教養大学は従前からあった施設を再利用していますので、施設費はたった11億円しかかけていません。最後に残った大型プロジェクトは秋田中央道路ですね。行政は継続性が大事な面もあるので、当時私も継続を決断しました。しかし、今でもなお一層のコストカットに務めています。

 いずれにせよ日本の地域計画というのは、どこでもものづくり計画になっていました。日本の国土計画も「橋をこのくらい造ります。道路をこのくらい造ります」というのが主体の計画でした。今日ご出席の自衛隊の方を例に採れば、装備計画がすべての中心だったのです。これからはもっと戦略的なことが中心になるのでしょう? 防衛白書などを読むと、これからはテロ対策が主体になるのかどうかとか、隊員を12万人に削減すべきとも言われていますね。同じ時代の流れにあるのではないですか。

 4 これからは、教育・健康・環境

 それはともかく、これからの県政はものづくり計画ではないと思いますね。一番重要なのは、人材づくりと教育だと思います。次に、健康づくり。それから環境といいますか、生態系にあった県土づくりが大切です。

 健康~「介護のいらない高齢者づくり」

 「秋田県健康づくり推進条例」というものも作りました。ここには生活習慣病の予防などいろいろ書いていますが、要するにやりたいことはこういうことです。県の施設でリハビリセンターというのがあります。ここで取り組んでいるのが「介護のいらない高齢者づくり」です。適切な運動をすれば機能回復も出来るのだそうです。そのために高齢者の筋トレなどもやっています。介護認定を受けない老人を増やしていこうという県民運動を県民の健康づくりの基本に考えています。これからはいかに寝たきりを減らして社会的に生きてもらえるか、ということが大切になってくると考えています。私だって暇を見つけてはウォーキングに励んでいるんですよ。
《10 に続く》


※名称・敬称等は当時(平成16年11月)のままです。
※次回は1月26日に公開いたします。

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