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講演録「形あるものは必ず壊れる」 14

 7 高速道路~「タダが一番いい」

 次は高速道路の話をさせてください。これまで秋田県は高速道路を次のような二本柱でつくってきました。その点で秋田県は特殊な県だと思います。一本目は普通に日本道路公団がつくる方法。これなら県は建設費用を負担する必要がありません。受益者負担の原則で高速道路の利用者が料金を払いますから。しかしながら、しばらく前から道路公団は不採算区間は原則つくりません、という方針になってきました。その結果でもありますが、秋田県では県内路線の約6割は道路公団が施工しましたが、それ以外は建設省、今の国土交通省直轄で「A’」という方式で建設しました。これが二本目の柱です。

 この方式だと県の負担が実質20%ぐらいになりますが、その負担をしてでも秋田県は早くつくりたかったのです。横手から湯沢は建設省直轄事業です。大館西道路もそうです。これらは税金でつくっているので、利用料金はタダなんです。最後の方で少しだけ道路公団が舗装してしまったものだから、横手の方はちょっと料金を取られますが、数百円にすぎません。

 私は「高速道路」なんて立派なものでなくても「自動車専用バイパス道路」で良いと思っています。私はその意識でいます。最近では道路公団の民営化の関係で不採算区間はやりません、となったものですから、県が実質10%負担する「新直轄」方式が出来ました。秋田県では小坂から大館までがそうです。岩城~本荘間もそうです。本荘以南はみんな国土交通省直轄ですね。ですから、これから秋田県がつくる道路はみんな無料になると思います。

 考えてみてください。高速道路の料金が無料ならば横手市から秋田市への通勤だって可能になります。これはものすごい経済効果を生みますよ。秋田県は東京・神奈川・埼玉・千葉の首都圏4都県を合わせた広さより少しだけ狭いぐらいの広大な面積があるのです。そして鉄道もあまり無いですから、自動車の依存率は96%。全国平均は75%ぐらいですよ。圧倒的に自働車社会です。ですから私は過疎地と申しますか、秋田のような地方部では、地域の発展のために高速道路料金はできるだけ低減するか無料で開放した方が良いと思います。

 有料にしてもどれだけ稼げるというんですか、もちろん東京のように採算がとれる所は料金を採れば良いのです。少なくとも秋田で求められているのは「ハイウェイよりフリーウェイ」ということだと思いますし、道路規格は少々見栄えが悪くても「秋田スペック」で大丈夫だと思います。

《15に続く》


※名称・敬称等は当時(平成16年11月)のままです。
※次回は3月2日に公開いたします。

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