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講演録「形あるものは必ず壊れる」 17 -了-

おわりに

 これからの社会は「壊すことから始める」というより「必然的に壊れてしまう」ものだということです。今までの体制を維持することは出来ないということなんです。そういうものがいったん無くなると、自分達の夢を持つことが出来るんです。「夢を持つ」ということが「新たなシステムを創る」ということなんです。捨てること、壊すことというのがまず大事です。県庁でもよくその議論をします。「ムダなことは止めようよ。いらないことはもうしなくていいんじゃないか」そして「どうしたら県民に夢を持たせられるか、それを考えようよ」と言っています。市町村合併も同じです。古い枠組みを壊すことです。摩擦もあるでしょう。しかしその後、必ず新しい形が出てきます。それは以前もあったものより力の強いものになっているはずです。

 人口が減少している地域で社会現象としてどういうことが起きるかというと、人材育成が出来なくなるそうです。なぜだと思いますか? 社会(地域)における(住民の)ポストが決まってしまっているからです。この人は店員さん。この人は社長さん、この人は警察官、この人は先生という具合に決まってしまっている。市町村合併か何かでこれを壊して、新しい人が入ってきて、摩擦を起こしながら新しい夢を作っていくことが必要です。それがこれからの新しい時代ではないかと思うのです。

 市町村合併についてひとこと追加させてください。私は市町村合併に熱心だと言われています。実際のところ、県内の法定合併協議会の取り組みは東日本ではナンバーワンとも言われています。私が行政改革に熱心なので、市町村合併についてもその点から熱心なのだと言われますが、その通りでもあり、そしてそれだけではありません。私が市町村合併に熱心なのは、住民にとって新しいまちづくりの夢を描く絶好のチャンスだからです。ですから合併しない市町村についてもその方針は尊重しています。ただ「合併はしない。自立して生き残るんだ」と(自分達で)決めてもらいたいのです。そしていかに生き残るかを考えてもらいたい。ですから自立と決めた場合は「自立計画」を県に提出していただきたい、とお願いしています。合併計画にしても自立計画にしても市町村の中で住民も巻き込んで大変な議論が巻き起こっています。計画を策定するためには、市町村の現在の姿、将来の姿を住民の前に明らかにしなければなりません。そこで住民も職員も真剣に自分たちのまちについて認識し、向かい合い、自分たちの「夢」は何なのか語り始めています。摩擦は大変大きなものがあります。格好の悪い争いも生じています。しかしその議論を積み重ねる中で、しがらみに囚われない新しい人材の成長を感じています。それこそが地域にとって最も大きな合併効果だと思うのです。

 今、市町村合併、そして三位一体の改革による地方分権が始まって、新しい社会システムが作られつつありますが、おそらくあと5年もしたら消費税も10%、20%にせざるを得ないでしょう。しかし行政コストを3割ぐらいは削減しないと国民は増税に納得しないでしょう。国のプライマリーバランスの赤字は19兆円にのぼるそうです。10年後は27兆円になると予想されています。10年後にこのバランスを均衡させるには歳出を3割カットするか、消費税を21%にする必要があると国の財政審の意見書でも述べられているようです。秋田県でも私の給料の半分が借金で賄われているのです。これはまともな状態ではありません。

 民間はリストラで地を這うような辛酸を舐めてきました。この肥大化した行政が体脂肪率を20%、10%まで落とさなければなりません。国も地方もそうです。これからはそれが行政の課題だと思います。ですから秋田県では「日本一簡素で効率的な行政」を狙っています。

 以上が私が考えていることです。残りは外国に行ってきた時の話でした。私は海外の話をすると2時間も3時間も話してしまうので失礼しました。ご清聴ありがとうございました。皆様のこれからのご健康を祈願します。ありがとうございました。

《おわり》


※名称・敬称等は当時(平成16年11月)のままです。
長期間にわたってご覧いただき ありがとうございました。

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