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講演録「形あるものは必ず壊れる」 2

 2.安全なところはもはや世界のどこにもない

 それからもう一つ感じたことは、日本はテロが起これば一番無防備な国なのではないかということです。国民がそういうことに慣れていないし、システムとしても対応出来ていない。

 これからは身近でテロも起こり得るという認識が必要です。日本の国内でもテロがあり得るということを前提としなければならない時代になっていると感じます。残念ながらそういう社会になってしまったなあ、ということです。どこにいても「安全なところはない」という考え方で、常に生きていくことが必要なのかもしれませんね。自然災害も含めて危機に備えることが必要な時代になった、ということでもあります。

 石油についていえば、オイルクライシスの時やホメイニ師によるイラン革命の時は1バレル30ドルくらいでしたが、今や50ドルですから、この影響はじわじわ出てきています。日本は昔以上に国際社会・経済の影響を直接受けるようになっています。インターネット社会の進展が典型的ですし、地球温暖化の影響も避けて通れません。石油に話を戻しても、日本は中東から8割以上を輸入しているわけですから、これからの日本の外交はしっかりしてもらいたいですね。

 そして我々も、現代は国境も県境もないグローバルな社会になっていることを強く認識すべきだと思います。県政でも当然ですし、国政においてもグローバルな視点が大切です。内向き志向は時代遅れです。そんなことをしていれば、この国際社会では生き残れないのではないですか。

《3に続く》


※名称・敬称等は当時(平成16年11月)のままです。
※次回は12月1日に公開いたします。

講演録「形あるものは必ず壊れる」 1

一. 海外を旅して感じたこと

 1 「夢」を奪ってはならない

 私は旅が大好きなので若い頃から海外を一人で旅行していました。イスラム教社会、ヒンズー教社会、キリスト教社会など世界の文化・習慣は実にさまざまです。それぞれの社会をのぞき込んで「ここはどういう所なんだろうか、この人達はどういう考え方をするのだろうか」と見て回ったものです。

 1991年の湾岸戦争で、イラクがクウェートに攻め込みましたね。あれは全くの侵略戦争でした。私はクウェートにも行ったことがあります。砂漠だらけで、あとはコンクリートの街と、石油で儲けたお金で海水を真水にして緑をちょっと植えている国、そんな印象があります。

 さて、湾岸戦争の3年後に同じ中東のモロッコに行きました。カサブランカで有名ですね。カサブランカというのは「白い家」という意味らしいです。現地でモロッコ人とイギリス人のジャーナリストと湾岸戦争の原因とその後について話をしたことがあります。モロッコ人は「日本は1兆円のお金を出して、中東から9割のオイルを持ち出している。日本人は何でもお金で解決しようとするが、それではこの先やっていけないよ」と、こう言うわけです。イギリス人もその通りだと言いました。さらにモロッコ人は「今回(湾岸戦争)はサダム・フセインが悪い。しかし米軍は逃げるイラク軍を後ろから攻撃した。あれは必ずいつか仕返しを受けるよ」と言うのです。イスラム社会では、背後から撃つことは許されない行為だそうです。その当時は「そんなものかなぁ」と思っただけでしたが。

 それから「日本はお金でコケる(失敗する)よ」とも言われました。当時はバブルが弾けて未だ間がない頃で「日本がお金で失敗するなんてあり得ない」と思っていましたから記憶に残りました。でも、結局のところ日本はお金で失敗して、公債依存率45%、720兆円の借金にあえぐ状態にあるわけですから、実に考えさせられます。

 時は進んで、今年(平成16年)6月にトルコに旅行に行きました。トルコでも現地の人に会ったり、関連した本を読んだりしたのですが、こんな話を聞かされました。「イスラム教徒にとっては、アフガニスタンに米国が出て行って制圧したことは目をつぶることが出来ると思う。アルカイダの件があるから。しかし、イラク(への侵攻)については許せないし、のみ込めない」と。「なぜか」と問うと、「あれは侵略だから」と言うわけです。私は、アメリカやブッシュ大統領についてどうこう言っているわけではありません。その人はそう言っていた…ということだけです。

 やはり、イスラエルをめぐる歴史の問題だと感じました。しばらく前までは、それでもイスラエルの中でパレスチナ人もそれなりに仲良く暮らしていたようなのですが、パレスチナの過激派のテロが酷くなり、イスラエル側も、パレスチナ人から仕事も何もかもを奪う形で防衛をしてしまったのが今日の事態を決定づけました。

 つまりこういうことです。なぜ彼の地でそんなにテロが起きるのかというと、若い人たちが、もはや「夢も希望も持てなくなってしまった」からなのです。夢もない、希望もない…となると、もう「ジハード」といいますか、自らの身体をアラーの神に捧げるしかない…ということになるのではないでしょうか。

 テロが起こると、さらにイスラエル側も固くなっていく。さらにテロが起こる…という悪循環です。日本だって、戦争の時には「神風特攻隊」のような形で自爆をしていたわけですから、理解できないわけではありません。

 このように「何もさせない、夢を持たせない」ということをすると「生きていくために必要な精神的なもの」を断ち切ってしまうと思います。ここが一番大きな問題の源だと思っています。これは日本の内政を考える時にも、とても示唆的だと思います。住民に「夢」を持っていただくこと。「夢」を持てる社会にすること。行政はそのためにこそ必要とされるのではないでしょうか。 

《2 に続く》


※名称・敬称等は当時(平成16年11月)のままです。
※次回は11月24日に公開いたします。

講演録「形あるものは必ず壊れる」の公開について

今からちょうど12年前の11月18日に「形あるものは必ず壊れる」と題して秋田市内のホテルで講演いたしました。

当時から12年が経ちましたけれど、都度都度に色々騒がれたほど世の中はそんなに大きくは変わっておりませんし、社会が抱える問題も劇的な解決策が無いまま、私たちの暮らしの前に引き続き横たわっています。皆様が、今と比べてご覧になられたら、どのようにお感じになられるでしょうか。

非常に長い講演録ですので分割して順次、毎週木曜日にブログ「早寝 早起き 朝ごはん」の中で公開してまいります。

 

※初回分のみ、明日公開いたします。

ラジオ番組に出演します

明日(11/11)の朝、地元のラジオ FM秋田「Morning Up! Friday」に寺田が出演します。

出演時間は、おおよそですが9:40~10:00の予定です。
お時間のある方は、FM秋田をチェックしてみてください。

なお、FM秋田はIPサイマルラジオに加入していないため、残念ながら秋田県外の方はradikoでご視聴いただけません。悪しからずご了承ください。

リンク⇒FM秋田HP
※プログラムの中から Morning Up! Friday を選ぶと、番組に楽曲のリクエストやメッセージが送れます。

 

【おわび】
前回(8/19)に続いて2度目の出演です。前回出演時には告知が出来ませず、大変失礼いたしました。

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