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講演録「形あるものは必ず壊れる」 11

 教育~人材づくりこそこれからの行政課題

 一番重要なのは教育だと申し上げました。教育水準を上げることを目的に「あきた教育新時代創生プログラム」を作って検討を進めていますが、学校統合なども含まれていて随分もめています。秋田県には小中学校が約450校あります。小学校は約300校です。そのうち、どこかの学年に単学級しかない小学校が約70%だそうです。例えば100校を統廃合して削減すれば、100人の校長、教頭を削減できます。それ以外にも教職員は小さな学校でも1校10人近くいるわけです。これが100校減れば1000人削減になりますね。ただし、学校の統廃合は「教育力を落とさないこと」。それが条件です。

 増田町の4つの小学校をひとつに統合したら、子ども達の目の色が変わってきたと聞きます。子ども達が元気になってきたと。新しい友達が出来たと。新しくて面白い先生が来たというのです。大変な活性化につながったといいます。私の考える理想を言えば、小学校の場合、1学年で最低2クラスは必要だと思うのです。そうなればクラスで対抗することも出来ます。クラブ活動の種類も増えます。それが強くて魅力のある学校だと思います。これが小中学校の統廃合のひとつの理由です。その一方で、通学については市町村ごとに考えて工夫が必要です。例えば、アメリカでは40km四方の地域をスクールバスが走り回っているとも聞きます。日本でも10km四方ぐらいならバスで対応できるのではないでしょうか。

 それから、これからは単に教育水準を上げるだけでなく、個性豊かな子どもを育てる必要があるのですから、生徒が多種多様な先生に出会える環境を整えるべきです。これによりその子どもに合った教育をおこなう可能性が広がります。その意味でも、あまり小さな学校ではなく、ある程度は規模のある学校を子ども達に提供してあげるべきです。

 県南の矢島町は教育熱心な土地柄で有名ですが、やはりここも高校の存続が難しくなってきた地域です。しかし、ここでは小中一貫校といいますか、小中一貫校に高校を併設するような形での生き残りを図っています。私はそれでも良いと思います。矢島の辺りにも高校がひとつぐらいは必要でしょう。私はどこでもなんでも統廃合すべきとは思ってはいないのです。残すべきところには残す。しかし生き残るためには地域で知恵を絞る必要があります。

 上小阿仁村は合併せずに自立を選択しましたが、人口3000人ぐらいで赤ちゃんが年6~7人くらいしか生まれなくなっています。これでは小学校さえやっていけません。自立するとしても小学校はとなりの市町村に委ねて通わせるなどの工夫が必要になってきます。少子化が進めば小さな町村では小学校は持てない、そういう社会になってくるでしょう。

 そういうことを見越せば、PTAや同窓会の方々が「子どもにとって何が幸せか」ということをもっと考えなければならないと思います。学校の統廃合案を出したところ、ものすごい反対が出てきています。もちろん同窓会が「母校の統廃合反対」と叫ぶことは理解できます。当然の反応だと思います。住民が「地域にとってなじみのある学校が少しでも長く存続して欲しい」と考えるのも良く分かります。

 しかし、学校の主役は子どもです。子ども達にとって良いものを提供できる。パワーのある学校でなければなりません。ずっと時間が経って、もうパワーのかけらもない、誰からも相手にされなくなった学校を統廃合するのは悲劇です。まだどの学校もパワーがあるうちに、力のある学校をいかに作るか、計画を立てておかなければなりません。こういう話をすれば、同窓会の人はともかくとして、子どものお母さん方はウンウンと頷いてくれます。先日、能代市が地域の5つの高校を3つに統合する意思決定をしました。だんだん分かっていただいていると実感しています。

 だって現在、小学校に入学するのが年間1万人だとすれば、7~8年後には8千人台になるのです。最近の秋田県の出生数は8600人ぐらいのはずですから。そういう時代なのです。時代に合わせていかなければなりません。

 最近、横手市に中高一貫校が出来ました。その一方で、伝統のある横手工業高校は閉校となりました。私も横手に家がありますからよく分っていますが、あれだけ駅前の便利の良い場所に建っており人気もあった横手工業ですが、最近は定員割れ。やはり時代に合わないカリキュラムだったのでしょう。このままこれを引きずっていってはこの学校が全く駄目になってしまうと判断して、中高一貫校の横手清陵学院という全く新しい学校にしてしまいました。

 新しい時代の中で「形あるものは壊れていく」ことは避けられないのです。湯沢でも高校の統廃合で大騒ぎです。文句が出ることは良いことです。そういう議論の中で、聖域なき改革といいますか、教育も警察も含めて改革が進んでいくのだと思います。どちらも「教育力」「警察力」を上げるためには必要な改革です。

《11に続く》


※名称・敬称等は当時(平成16年11月)のままです。
※次回は2月9日に公開いたします。

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